前日の雨予想もはずれ、朝方には上がった雨。気温も上がりそうという話で絶好のマラソン日和かと思われた2006年の荒川市民マラソン。
足の調子はアップの時は悪くない。ただ、何もなく42kmが終わるとも考えづらく、いったいどういうレースになるか。私はキリスト教徒でも仏教徒でもないが、スタートに並んだ時、十字をきれたり手を合わせられれば楽なのにと思った。
スタートは前方Bブロック。ゴスペルの音楽と共に出発。約2分のタイムロスで自身3度目の荒川市民マラソンが始まった。
最初は様子見で行こうと思っていた。最初の1kmは5:24。まぁこんなものかなと思いながら、次の2km、3km地点が5:05、5:05。今日はこの5分ちょいで行こうかと思う。
4km地点付近。例の左足に違和感。あれ、痛くなるの早いぞ。青梅の経験から10km以上は問題なく行けると思っていたのに。少々、焦りながら5km通過。この大会5km毎のスプリットが計られる。とりあえず5km通過なら参加の記録が残る。5kmは25:49(5:24-5:05-5:05-5:06-5:09)。
この5km前後の岩淵水門のアップダウンが足に負担をかける。やだなぁーと思いつつも、別のことを考えようと努力。とりあえず、ここまでのペースは安定。6kmを越え、全体の1/7を終えたと喜び、7kmを越え1/6が終わったと安堵。10kmの2つ目の公式ラップ計測も嬉しい。10kmは25:11(5:04-5:03-4:59-5:02-5:03)。
足は糸3本で繋がっているような(?)、いつプチっときそうな感じではあるが、タイムは5分ちょっとで安定している。もし、このままごまかしごまかし最後まで行けば3時間30分台の前半くらいでいける。と思う反面、折り返しコースであるこの荒川は、スタートつまりゴール地点からどんどん遠ざかっていく。どうせリタイヤするなら早いうちにした方がいいのも事実だ。
15kmは25:18(5:03-5:03-5:10-5:01-5:01)。
しかし、この頃から逆に足の痛みが和らいできた気がした。もしかして痛さのピークは越えた?エンドロフィンがいっぱい出てきたのかな?1kmのラップもほんのわずかだが5分が切れるようになってきた。4:59平均で行けば3時間30分なんだよね。そこまでは無理だとしても、ベスト2の記録が出ちゃう?20kmは
24:21(4:59-4:54-4:59-4:57-4:52)。
反対側の折り返してくるランナーを見つつ、もう少しいけば折り返し。ゴール方向に帰れるわけだ。
周りの選手もずいぶん抜かせるようになってきた。自分のスピードがあがっている?息はそんなにあがっていない。まだ半分あるけど、いいかもしれない。21kmを4:52。22kmを5:01で中間点。2分のスタート時のタイムラグを差し引いてざっと計算すると、まぁ3時間30分は少し越えちゃうけど、まだ切れなくはない範囲。そして、折り返し。
ところが、あら?何この風?折り返し後すぐ土手を登って上に出るがそこで向かい風の洗礼を受ける。もしかして折り返し前の好タイムはこの風があったからか?この状況に戸惑ったということでもないが、23km地点は時計を見逃す。24kmまでの2kmが10:16(1kmあたり5:08)。そして25km地点では5:13。明らかにタイムが落ちてきた。25km25:23(4:52-5:01-5:08-5:08-5:13)。
この頃から足の疲労感もはっきり出てくる。やはりこれは練習不足。1歩1歩が前に出づらいというか、重い。ああ、やっぱり走り込んでなきゃ、20km以上からは辛いよね。そう思うと再び故障している足が痛んできた。風もめちゃくちゃ強い。なんかネガティブな要素がいっぱい。あと15kmくらいかぁ。やめちゃおうかな・・・。1km毎のタイムは落ちるいっぽう。
”あ、そういえば30kmのエイドは荒川静香のCMで有名になった金芽米のおにぎりが配れれるって言っていたなぁ。せめてそこまでは行こう。”なんとも情けない理由に助けられながらどうにか30km地点。28:29(5:20-5:37-5:42-5:45-6:05)
ここで初めて歩く。歩きながらおにぎり2つ。水1杯。とぼとぼと走り出す。まず故障個所、まじで痛い。ホントにこれはまずい。しかし、それ以外のところも、すでに自分の体ではないような感覚。足は重たく、鈍い。風を防ぐ為に前屈みになっているせいもあるのか、腰も痛い。そう、その風のせいで顔をあげて前方をキリっと見て走るということをもう何キロもしていない。視線と同じように気持ちもずーっと下を向いている。
あと、12km、あと11km・・・と言い聞かせながら淡々と進むも・・・ついに・・・。33km手前、ついに足に激痛。来た。
すぐさまアスファルトのコースをはずれて横の土のエリアへ。もう走る衝撃には耐えられない。ゆっくり歩く。まわりを見ても救護施設はなし。とりあえず走るとはやめて5分歩こう。あとゴールまで10kmちょっとかぁ。歩いたら2時間くらい?ここまでのタイムは2時間50分くらいなので5時間は切れるのかぁ?とか考えながらトボトボ歩く。意外と長い5分間。痛みが少しは和らいできた。風も強いし、歩いていると体温がどんどん下がってくる気がする。よし、優しく優しくスローペースで走ってみよう・・・。
ここからは、走っているんだか歩いているんだかわからない状態。途中、救護ステーションもあったけど、何時間も待たされて収容車に乗るより自分で帰るよ。途中、ラップがよくわからなくなったけど、どうにかシャーベットステーション近くの35kmへ。
37:14(6:46-6:25-16:10(2km)-7:53)
この後の登り坂でふたたび激痛。歩く。土手の上、強風を遮るものは無し。海だったら遊泳禁止の赤旗だよな。2万人ものランナーがなぜこんな中走るのか?ゴールに向かうのか?
うん、ゴールに行かなきゃ帰れないものね。終わりにするには早くゴールに戻らなきゃいけません。
その後、痛みは少し収まるとジョグ。痛くなると歩くの繰り返し。あと、7km、6km、5km。5kmなら歩いたって1時間。よし、1kmを10分切ったらヨシとしよう。と非常に甘いノルマにする。そして、終わりが見えてきた40km地点。35:55(7:24-7:13-8:20-6:46-6:12)。
残り2km表示。おお。しかし今度は今にも攣りそうだった足がついに・・・。これも練習不足のせいか。止まって足を伸ばす。どうにか大事にはいたらず。ここから2km、全神経を足に、攣りませんように、攣りませんように・・と。
41kmはそんなこともあって7:18。42kmは、最後のがんばりで6:07。あと200m。さあと思ったところで風のいたずら。帽子が飛ばされる。10m戻って最後のダッシュのやりなおし(笑)。
とはいえ、速く走れるはずもなく、なんとかゴール。終わって見ると自分の時計で4時間02分47秒。こんな最悪な状況の中だから、ワースト記録更新かと思ったけど、そこまでは悪くなかったようだった。(それにしても、前回のNYCマラソンのワースト記録はこれより14分もかかっているんだから、何をやっていたんだろう。)
終わった直後は、まぁコンデションのわりには・・と思いもしたが、冷静に考えるとやっぱりダメレース。
怪我して練習できなかったのも自分の責任。
風で気持ちが折れたのも自分の弱さ。
そして、やっぱり時間にはこだわりを持たないと。4時間は終わってみれば切れたんじゃないかなと。
フルマラソンは3連続、最悪レース。長いトンネルから抜けれない状態です。次のフルは秋か来年か。とにかく、ずーっと先。
とりあえず、しばらくは静養して足直します。
42.195km男子一般の部(グロス) 4時間04分37秒
42.195km男子一般の部(ネット) 4時間02分46秒
42.195km男子一般の部順位(グロス)11723人中2750位
42.195km男子一般40歳代順位(グロス)3324人中948位