今、ちまたではちょっとブームの「
一瞬の風になれ」読みました。
いわゆる青春スポーツ物。全3巻。直木賞候補だったり(残念ながら取れなかったようだが)、王様のブランチで絶賛されたり、また知る人ぞ知るランニングメールマガジンのBEST RUN!!の最新号にも書かれてましたね。
内容は、高校から陸上部デビューした主人公が、部活での練習や経験を経て、徐々にタイムを延ばしていき、大きな大会に挑戦していく・・みたいなやつです。主人公は短距離選手なので、私のような長い距離を走る人と練習内容とかでだぶるところはないのですが、実際は、読み手がランナーだとか陸上に興味があるとかというのは二の次で、非常に楽しめる内容だと思います。
というのも、本当にすがすがしいほど青春を謳歌しているんですよね。これ読むと、学生の頃のそういう青春という「におい」とか「雰囲気」を思い出すのです。
私は高校時代、主人公と同じように陸上をしていたわけでもないし、男子校だったので小説のように意識した女子が校内にいたわけでもありません。でも、これを読むとじわぁーーっと、あの頃に戻されるというか、いい気持ちになることができます。
そしてそれだけじゃなくて、目標もって何かをやっている主人公に共感するところもあったし、物はちがうけど少し今の自分にも繋がるのかぁというのもありました。
主人公は少しずつ、速くなっていきます。もちろん、努力してです。それがひとごとのように見えなくて。いや、私、別に最近はタイムが縮まっていないのですが、それができた時の歓びは、よくわかるんですよね。
そう思うと、前にもちょっと書きましたが、別に20年も30年も時計を戻さなくても、若くしてじゃないと得られない感動なんてないんですよね。ただ、こういう小説とか映画とか音楽とか聴くことによって、それがトリガーになって、昔の感情を思い出すというか、今の自分にも感動できるというのでしょうか・・・。
ちなみに3巻はそれぞれ「1(いちについて)」「2(ようい)」「3(どん)」というように副題が付いているのですが、各巻まさにそういう内容。徐々に上げてきますので最後に向かって盛り上がっていきます。
また、結構、涙腺ゆるみますので、外出先で読む場合とかは周りを気にしなくてはいけないかも。