「まさ」のあれこれWeblog
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2007/01/03>
Nike+iPod Sprot kitにおける走行ペースと計測距離の考察
Nike + iPod
 Nike + iPod Sport kitを入手して約1ヶ月が経ちました。最初はもの珍しさもあり楽しんで使っていたのですが、ちょっと計測される距離に疑惑が出てきました。そもそも、最初にキャリブレーションしたのがフルマラソンを走った翌日だか翌々日。距離の計測には加速度センサーを使っているとのことなので、走り方によってずれが出てくるのでないだろうか?そんな疑問を解決するために、冬休みのとある日、Nike+iPod Sprot kitの実験・考察を行いました。
題して冬休み自由研究『Nike+iPod Sprot kitにおける走行ペースと計測距離の考察』。


1.初めに
 Nike+iPod Sprot kitは靴にセンサーを装着することによって手軽に走行距離を計測できる。それと走行時間・自己申告体重を組み合わせることでペースや消費カロリーも計算できる。しかしながら、その走行距離はセンサーが加速度を計測することによって算出すると公式ページにはある。センサーに与えれれる加速度と走り方は個人差があるわけで、それを解消するためにキャリブレーションというセッティングを最初に行うことが推奨されている。キャリブレーションはウォーキングとランニングを既知の一定距離を歩く(走る)ことで行われる。しかし、市民ランナークラスでも、ランニングにはLSDペースのような有酸素運動が主になるものもあれば、ペース走のように心拍を高いレベルで保ちスピードが高めのものもある。はたして、それらの走り方で正確な距離が測れるものなのか・・・。今回、いろいろな状況で一定距離を走り、Nike+iPod Sprot kitが算出する距離と実際の距離がどれくらい一致するかを調べ、考察してみた。

2.実験
a.使用品
 iPod nano(5K62304****) + Nike + iPod Sport kit(4H6445A****)をSwitchEasy RunAway Adapterでランニングシューズに装着
b.キャリブレーション
 まず、実験と同一の日の最初にJ公園400mトラックを利用して1000mを4分52秒(時速12.33km/h)でランニングのキャリブレーションした。またウォーキングキャリブレーションもおこなった。
c.本測定
 Ⅰ:キャリブレーションと同一のコースを1000m走で確認。おのおのの測定は100m以上の助走の後、測定開始。トラック1000m通過時に数値を確認、nanoの距離表示がどうなっているかを測定した。またすべて同じ地点をスタートとしゴールとした。そのため周回としての風の影響はおのおののデータには影響しないと考える。
 測定は、、4分50秒ペース(時速 12.41km/h)5分35秒ペース(時速 10.75km/h)、4分10秒ペース(時速 14.4km/h)、6分24秒ペース(時速 9.38km/h)の4つをこの順番で行った。
 Ⅱ:同一日に同一トレッドミルにて、5分27秒ペース(時速 11.0km/h)、5分00秒ペース(時速 12.0km/h)、4分37秒ペース(時速 13.0km/h)、6分00秒ペース(時速 10.0km/h)(以上斜度0.0%)の4つをこの順番でおこなった。おのおの助走を100m以上おこなった後にトレッドミル上の1000m通過時ににnanoの距離表示がどうなっているかを測定。
 また、同じように5分27秒ペース(時速 11.0km/h)において、斜度0.0%、1.0%、2.0%、3.0%でも測定をおこなった。

3.結果
 Ⅰ:トラックにて走るペースを変えた場合、このグラフのような結果となった。

fig1

キャリブレーションをおこなったペースとほぼ同じ4分50秒ペース(時速 12.41km/h)では実際の距離とNike+iPod Sprot Kitのずれは無い。つまり再現性はあると言える。しかし、走行速度(ペース)が上がるに従ってNike+iPod Sprot Kitは実際の距離よりも短く判定してしまう。それは例えば、、4分10秒ペース(時速 14.4km/h)で走った場合は1000mを910mと判断してしまう。逆に、6分24秒ペース(時速 9.38km/h)の場合は1000mを1140mも走ったと判断してしまうようだ。つまり、キャリブレーションした時のスピードより速く走ると距離を短く判定してしまい(結果ペースが本来より遅いと伝えてしまう)、遅く走ると実際の距離より長く走ったと判定(ペースが本来より速いと伝えてしまう)するという結果となった。その相関は直線上に乗る結果となった。
 Ⅱ:トレッドミルでの場合も検証した。ただし、トレッドミル自身の表示距離が常に正しいとは限らない。が、トレッドミルでNike+iPod Sprot Kitを使用することもあるので、トラックでの実験の再現性も含めて検証してみた。

fig2

結果はこのグラフの通り、ほぼトラックでの傾向と同じである。ただ、キャリブレーションをおこなった4分50秒ペース(時速 12.41km/h)で、トラック同様に差がほとんど無しという結果にはならず5%程度ずれている結果となった。これはトレッドミルでの表示距離の誤差なのか、トレッドミルとトラック走とのフォームの違いによる物なのかは不明である。ただ、トラックでもトレッドミルでも速度と距離ずれの相関(つまり傾き)はほぼ等しかった。それは、トラックデータでは時速が1km/h上がる毎にずれが1000m当たり44mずれるのに対し、トレッドミルでは1000mあたり49mずれるという結果になった。つまり速度変化に対するNike+iPod Sprot Kitの測定誤差傾向はトラックとトレッドミルによる差はほとんど無い。
 Ⅲ:トレッドミルを使用する場合は傾斜による計測ずれも知っておきたい。角度を変えた場合の距離ずれの結果が以下の通りである。

fig3

傾斜を変えることによっても、フォームの変化か(トレッドミルの誤差か?)Nike+iPod Sprot Kitとトレッドミル表示距離のずれが生じてくる。今回は角度がつくに従って実際の距離より大目に表示してしまう傾向が出た。例えば1%角度をつけることによって1000mあたり22mの誤差が生じているようである。

4.結論
 キャリブレーションをおこなっても、そのキャリブレーションをおこなった時の走行速度からずれて走った場合には、走行距離に誤差が生じることが判った。それはキャリブレーション時よりもり速く走ると距離を短く判定してしまい、遅く走ると距離を長く判定してしまう。その程度は、今回の場合、時速が1km/h上がる毎にずれが1000m当たり44m短く判定した。
 外を走った場合と、トレッドミルで走った場合は若干のずれはあるものの、やはり同様の結果となった。ただし、トレッドミルに傾斜を付けた場合、傾斜を付けるほど実際の距離より大目に表示してしまうようである。

 Nike+iPod Sprot Kitでは、たぶんWalkとRunでの2つの速度でのキャリブレーションを行うことによって速度変化に対する距離ずれを補正しようとしているのであろうが、実際、私が使うであろう時速10km以上(通常は11km/h、ハイペース時では12km/h)においては距離ずれが生じてくる。
Nike+iPod Sprot Kitを使用する状況を考えるとLSD時が一番多いと思われるので、キャリブレーションはそのLSD時の速度(ペース)で行わないと実際の距離とはずれが生じることがわかった。

(尚、今回の検証は私のランニングフォームによる影響が大きいと思われるので、絶対的な数値は個体差が生じると思われます。)

次のレポートに続く(^^)


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11:15 ||

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