<場所:長野市内 8時35分スタート>
先月の荒川市民マラソンは、自己新を大幅更新の3時間21分38秒。今回の長野マラソンは3時間20分切りも見えてくる。ただ、昨年同じ荒川→長野を経験し、結果、荒川より悪いタイムでゴール。短期間での調整の難しさを実感した。それを踏まえて、軽めにすごした1ヶ月。やっぱり、調子が乗らないなぁと思いつつも、やはり色気を出して20分切りを目標に長野入り。
結果は、荒川の天国から長野の地獄に転落。初フルより遅く、昨年の長野よりも遅い、自己ワーストのタイムでゴールに到着した。
まるで、ブログのネタを作る為に走ったかのような1ヶ月間の転落ぶりだ。
昨年はスタート直後、スピードが出ないのを実感。疲れが取れていない為と分析して、今回は去年に比べて練習量少な目に過ごしてきた。直前の風邪引きもあり、疲れは残っていないと思っていた。でも、実際は体が出来ていなかったというか、スピード感覚が落ちていたようだ。
また、モチベーションの問題。荒川までピィーンと張りつめていた気持ちが一度切れた。それと、長野遠征=旅行みたいなところもあり、ファンランでいいかなという気持ちも直前まで見え隠れしていたのも事実。
とはいえ、1kmを4分41秒で刻んで3時間20分を狙おうと思ったからには、それに向かって最大限の努力をしなければいけないのだ。
前日の昼過ぎに、長野入り。今年も奥さんと子供二人を連れてのレースだ。うちの奥さんに言わせると、長野マラソンは待つ(応援する)人に取っても、いろいろとイベントがあって、「あそこなら付いていく」という大会らしい。
恒例の善光寺に寄って(喪中だからお参りはしませんでした)、そば食べて、みそおにぎりとみそソフトを食べてから、ゼッケンを受け取りに。夜は代々木RC+るうじさんと「完走を誓うパーティ」。その時、最低目標タイムは?の質問に前日までは3時間25分と言っていたのに30分とすでに修正した自分が情けない。
さて、当日。7時前には会場入り。ウォーミングアップがてら、スタート会場である長野運動公園内を巡る。この長野マラソンスタート地点はトイレの量もしっかり確保されているし、スタート前給水も支給してくれる。余裕をもって荷物をあずけスタート地点へ。海外からの参加選手も多いのもあってか、アナウンスは日本語のあとに英語。なかなか気分も盛り上がる。前のクレーン上のNHKカメラがグィーンと上に動きだしてスタート。
最初の1kmは4分57秒。ここは5分以上を想定していただけに順調。以下4分47秒・4分47秒・5分08秒・4分44秒と5kmまでで1度も想定タイムの4分41秒が切れない。ただ自分自身最初の5kmくらいはウォーミングアップ。あとあとスピードが乗れば挽回がきくさ、くらいの気持ちであったので焦りはあまり無かった。
6kmまではやや登り。4分56秒。まあ、登りだし。で善光寺を左折して下り坂に入る。しかし、たぶんこのコースで一番長いくだり坂でタイムが縮まると思える7km地点なのに4分44秒。えっ?ここでも目標の4分41秒を切れないの?
この1ヶ月、ペース走とかビルドアップが不足していた結果だろうか。とにかくこの時点で今回の3時間20分切りは不可能であると判断してしまった。気持ちが入っていれば何くそと行ったのかもしれないが、今回はでもこのまま行っても25分くらいは切れるかなという弱気モードになっていた。
結局、この10kmまでの5kmタイムは24分09秒。でも、応援のおかげもあり、1kmが荒川より遙かに短く感じる。不思議な感覚だ。
ここらへんから市内を徐々に離れ街から町に風景が変わる。なんとなく、グループの中で回りに遅れていく自分がわかる。抜いていく人が多い。15kmまでの5kmラップ。24分16秒。14kmから15kmはやっと5分切りだった。あれ、ちょっとスピードが落ちてきたぞ。息のちょっと上がってきた感覚。うーん。
ここからしばらく少し長い(3kmくらいか)折り返しを挟んで対面通行となる。応援も増える。だが、あきらかに回りに取り残されていく自分がわかる。たぶんこの集団は3時間25分くらいのレベルか?そこから落ちていく自分。エムウェーブを廻る時に(たぶん普段ではなんでもないであろう)アップダウンがきつい。20km手前でこんな気分になるのは初めてだ。19km-20kmまでの1kmは五輪大橋手前の登りの影響もあっただが、なんと5分21秒!20kmまでの5kmが25分06秒。この時点での、このラップ。トラブルがあったわけでなく、自然と落ちてきたタイム。もう、気持ちの中では、捨てムード。というより、棄権とかしたらどうなるんだろうとかを考えるようになる。
ハーフを通過したところでは、前半の貯めがあったので1時間45分を切っていたが、このままでいけば3時間30分は当然無理。というか、半分終わったところで1kmが5分21秒まで落ちたタイムはここからどこまでさらに落ちていくのか?
24km地点に家族の応援があるはず。とりあえずそこまでは行かなきゃいけない。でなければ、永遠に待たせてしまうことになるから。「×時○分くらいには通過するよ」と言ったタイムからたぶんずいぶん遅れてるんだろうなぁと思いつつ、応援する彼らを発見。手を振るも、みんなに抜かれていく父を見せるのは恥ずかしい気分だ。
去年も中継に使われていた25km関門を通過。関門閉鎖タイムにはまだ余裕があるけど、関門という言葉が大きく感じる。この5kmは26分07秒。もうすべて1kmは5分台だ。
そしてここからは、千曲川沿いを走るコース。去年ほど桜や山を見て楽しむ余裕無し。後ろから来る人すべてに抜かれている感じ。着地の衝撃がなんか全身に跳ね返る感じ。腰も重たい。遠くで花火の音。たぶん、男子ランナーのゴールだ。私はこれからまだまだ遠い。松代大橋をくぐるポイントを通過。ここで止めればたぶん一番ゴールに近いところだ。
どうしようかなぁ。でも、途中でやめたら、子供に教育上よくないよな。諦めたことを見せるわけにはいかない。でも、棄権したなんて言わなければわからないかなぁ。いやいやだめだ。
そんなことを考えながらの30km。28分30秒。
あと12km。この調子じゃあと1時間以上。どこかで読んだ、「止める理由は幾らでもある。走る理由はひとつしかない。」という言葉を思い出す。確かに、止めたら絶対あとで後悔するし、歩いても制限5時間以内ではいけるんだから、リタイアだけはするまいと決める。岩野橋を渡って千曲川を戻る。うわぁすごい向かい風じゃん。今まで追い風だったの?まいったなぁと思いつつ、ほとんど歩きに近いと思われるスピードを保つ。33.7kmエイド。ここで生まれて初めて給食としてバナナを食べた。
今までは、水はともかく給食はタイムにマイナスのような気がして取ったことがなかったが、さすがに今回はもうタイム関係なし。どんなものか食する。以後、すべてのエイドではスポーツドリンクを飲み干し+バナナを採る。35kmまでの5km、30分41秒。1kmあたり6分30秒以上かかるラップも出てくる。
このようにあらためて書くと、簡単にかけてしまうが、ものすごく長い1km表示が続く。前半、短い1kmだなぁと思えたのが嘘のようにとてつもなく長い1km。ほんと、ああ歩こうという誘惑に駆られる。でも、河川敷でも数メートル毎に応援の人がいて、がんばれと言われると、その人の手前では歩けない。そんなこんなで、ほとんど死にそうな状態で、前には進む。
1km毎に見るラップはぎりぎり7分を切るペース。昨年以上に松代大橋の登り+風に苦しめられ、40km地点が33分42秒。
歩かなきゃ4時間は切るかなぁ。こりゃ、みんな待たせたなぁ。と考えながら残り1km表示。でもまだ1km。足は限界。ふくらはぎがビンビンに張っている。何かの衝撃で、攣り(ツリ)そうな感じだ。もし攣ったらもう走れないような気がする。この段階で、走るというよりはおそるおそる足を前に出すだけ。速く走ろうという気持ちは微塵もなく、ただただ無事にゴールできればと思う。ガラスで出来た足で進んでいるような感覚で、なにかのショックで壊れてしまいそう。壊さないように、壊さないように・・。
そして、感動もなにもなくゴール。3時間51分58秒(ネット)。
ゴール時は悔しいとか、情けないとか、そういう気持ちよりも全身の痛みが大きくて呆然状態だった。
体育館で着替えている時、右足が攣る。続いて左足も。腹筋も。もう痛くて、もだえる。あああ。
今回の敗因はなんだったんだろう?疲れとか、練習不足とか病み上がりとか精神的な弱さとか、いろいろ浮かぶところはある。でも、もしマラソンの神様がいるとしたら、ここで天狗になっていた自分にカツを入れたのでしょうか?
とにかく中1ヶ月で2回のフルはやっぱり私には出来ませんでした。最初からファンランに徹していれば、もっといい結果も出ただろうし、ほんとに楽しめたに違いない。
長野マラソンのあの応援をプラスにできなかったのはもったいなかった。
今回の結果が、次回以降のトラウマにならないように。また最初から作り直さなければいけない。とにかく、今回の結果を反省しつつ、次の目標に繋げていきたい。
そんな、経験値アップのとても辛い長野マラソンでした。
フルマラソン一般男子(グロス) 3時間53分00秒
フルマラソン一般男子(ネット) 3時間51分58秒
総合順位(グロス)3979人中1611位 一般男子
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